屋根のルーフィングとは?種類ごとの耐用年数や相場価格・注意点を解説
屋根
屋根の下に敷かれている「ルーフィング」は、雨水の侵入を防ぐための防水シートで、屋根の耐久性を左右する重要な部材です。普段は目に見えない部分ですが、ルーフィングが劣化すると雨漏りの原因となり、建物全体の寿命を縮めてしまうこともあります。
当記事では、屋根のルーフィングの基本的な役割や耐用年数、代表的な種類と価格の目安、施工手順、施工時の注意点などを解説します。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 屋根のリフォームや葺き替え工事を検討している方
- 新築やリノベーションで屋根材を選んでいる方
- 雨漏りの原因や対策について詳しく知りたい方
屋根のルーフィングとは
ルーフィングとは、屋根材の下に敷く防水シートのことで、「下葺き材」や「防水紙」とも呼ばれます。屋根の下地となる野地板の上に直接貼り付けられ、雨水の侵入を防ぐ役割を担っています。屋根材にはわずかな隙間があるため、雨が内部に入り込むことは避けられません。そこで、内部に入り込んだ雨水を外へ排出し、下地の木材を濡らさないようにするのがルーフィングの役割です。
屋根の防水は一次防水である屋根材と、二次防水であるルーフィングの2層構造で成り立っています。仮に屋根材が劣化しても、ルーフィングが健全であれば雨漏りは発生しません。そのため、ルーフィングは屋根防水の最後の砦と言えます。見えない部分ですが、品質や施工状態によって屋根全体の寿命が大きく左右される重要な部材です。
屋根のルーフィングの耐用年数
屋根のルーフィングの耐用年数は、一般的に10〜30年程度が目安です。住宅瑕疵担保履行法により、施工業者は引き渡しから10年間、雨漏りに対して保証責任を負うため、最低でも10年は耐久性が保たれるよう設計されています。ただし、使用されるルーフィングの種類や品質によって大きく差があり、上位グレードの製品では30年以上の耐用性をもつものも存在します。
ルーフィングの防水性能は「JIS A 6005」で定められた基準に準拠しており、各メーカーもこれを最低基準として製造しています。しかし、安価なアスファルトルーフィングは10年程度で劣化が始まることも多く、長期的な耐久性を重視するなら改質アスファルトや透湿・遮熱タイプの採用がおすすめです。以下に、主なルーフィングの種類と耐用年数の目安をまとめます。
| ルーフィングの種類 | 耐用年数の目安 |
|---|---|
| アスファルトルーフィング | 約10〜20年 |
| 改質アスファルトルーフィング | 約20〜30年 |
| 高分子系ルーフィング | 約15〜20年 |
| 透湿ルーフィング | 約50年 |
| 遮熱ルーフィング | 約20〜50年 |
| 不織布ルーフィング | 約30年 |
屋根のルーフィングの種類と相場価格

屋根のルーフィングには、使用環境や目的に応じてさまざまな種類があり、防水性・耐久性・価格のバランスをどう取るかが選定のポイントとなります。ここでは、代表的な6種類のルーフィングを特徴と相場価格付きで比較し、それぞれの概要を解説します。
| 種類 | 特徴 | 単価(㎡) |
|---|---|---|
| アスファルトルーフィング | 厚みのあるボール紙にアスファルトを染み込ませた防水紙。初期費用を抑えやすいが耐用年数は短い。 | 約300円 |
| 改質アスファルトルーフィング | アスファルトにゴムやポリマーを混ぜて耐久性を強化。標準的な住宅で最も採用されている。 | 約350〜500円 |
| 高分子系ルーフィング | 合成繊維などが原料でアスファルトを使用しないため軽量。耐久性が高く破れにくくひび割れしずらい。 | 約700〜900円 |
| 透湿ルーフィング | 湿気を逃す性能を持ち、防水性と透湿性に優れている。耐用年数が50年と長い。 | 約500〜700円 |
| 遮熱ルーフィング | 下地に直接貼り付け可能。釘穴が開かず密着性が高い。雨漏りしにくいが高価。 | 約750円 |
| 不織布ルーフィング | 不織布ベースで破れにくく柔軟性がある。施工性が良く耐用年数も約30年と長め。 | 約600〜900円 |
屋根のルーフィングの施工方法
以下は、屋根のルーフィング(防水シート)の施工手順をまとめた表です。実際の施工では、屋根の形状や材料によって多少手順が異なりますが、基本的な流れを理解するための参考になります。
| 作業内容 | 解説 |
|---|---|
| 既存屋根材の撤去 | 古いスレートや瓦を取り外し、下地(野地板)を確認します。傷みがある場合は補修を行います。 |
| 下地の清掃・整備 | ルーフィングを貼る前に、ホコリや木くずを取り除き、平滑な状態に整えます。 |
| ルーフィングシートの貼付開始 | 軒先(屋根の下側)から棟(屋根の上側)に向かってシートを貼ります。雨水の流れを考慮し、20cmほど重ね張りします。 |
| タッカーで固定 | 30cm間隔でタッカーを打ち込み、ルーフィングをしっかり固定します。正確に打つことでシートの劣化を防げます。 |
| 谷部・棟部の補強 | 雨水が溜まりやすい部分には、シートを二重〜三重に重ねて防水性を高めます。 |
| 粘着式ルーフィングの使用 (場合により) |
粘着テープ付きのシートを使用する場合は、シールのように貼り付けるだけで施工可能です。屋根カバー工法などで多く採用されます。 |
| 仕上げ確認 | シートの浮きやズレがないかを確認し、全体の防水性をチェックして完了です。 |
屋根のルーフィングに関する注意点

ルーフィングの施工を依頼したり、施工をしたりする場合にはいくつか注意が必要です。
■施工中の天候に注意する
ルーフィングは防水性の高い素材ですが、施工中に暴風雨が発生すると隙間から雨が入り込み野地板を傷める恐れがあります。小雨なら施工可能でも、台風や豪雨時に作業を続ける業者は要注意です。梅雨や台風シーズンの工事は、天候に配慮して日程を調整してもらいましょう。
■安価なルーフィングシートに注意する
見積書に「アスファルトルーフィング940」と記載されている場合は注意が必要です。耐用年数が10年前後と短く、コストを抑えたい業者が選ぶことがあります。価格だけで決めず、使用する資材の耐久性を必ず確認しましょう。
■屋根材より長寿命のルーフィングを選ぶ
屋根材を張り替える際、ルーフィングも同時に撤去・交換が必要です。そのため、ルーフィングの耐久性が低いと再工事のリスクが高まります。屋根材より長持ちするタイプを選ぶことで、メンテナンス費を抑えられます。
■相見積もりを取って業者を選ぶ
1社だけの見積もりでは価格や施工内容の妥当性を判断できません。2〜3社から見積もりを取り、使用するルーフィング材や保証内容を比較することが大切です。信頼できる業者を選ぶことが、雨漏りを防ぐポイントです。
まとめ
屋根のルーフィングは、屋根材の下に敷く防水シートで、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を持ちます。耐用年数は10〜30年程度で、使用する素材により性能が異なります。施工は軒先から棟に向かって貼り、タッカーで固定しながら重ね張りして防水性を高めます。
施工時は天候に注意し、暴風雨時の作業は避けることが大切です。また、安価な素材は短命なため、耐久性を重視して選ぶと安心です。複数業者から相見積もりを取り、適切な素材と施工を行うことが長持ちする屋根づくりにつながります。
金属製で経年劣化するため、色褪せや錆、歪み、浮きなどの劣化が見られたら早めの修復が大切です。軽度であれば塗装補修、重度なら交換が必要となり、定期的な点検とメンテナンスで建物の耐久性を長く保てます。
この記事の監修者情報
峠元 聡良
所属:峠元板金工業所
経歴:職人歴4年