屋根の種類ごとの平均的な厚さはどれくらい?内部構造についても解説

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屋根の種類ごとの平均的な厚さはどれくらい?内部構造についても解説

屋根の厚さは、使用する屋根材の種類によって大きく異なります。瓦屋根、スレート屋根、金属屋根など、それぞれの材質や工法によって必要な厚さが変わり、建物の耐久性や断熱性、施工コストにも影響します。また、屋根は屋根材だけでなく、下地材や防水シート、断熱材などが重なった構造になっており、全体の厚さを理解することが重要です。

当記事では、種類別の屋根の平均的な厚さ、屋根の厚さがどのように決まるのかという構造の解説、屋根の厚さに関する注意点について解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 屋根材ごとの厚さの違いを知りたい人
  • 屋根の厚さが建物の耐久性や断熱性に与える影響を知りたい人
  • 新築やリフォームで屋根材を選ぶ際に厚さを考慮したい人

【種類別】屋根の平均的な厚さ

【種類別】屋根の平均的な厚さ

屋根材の厚さは、耐久性や断熱性だけでなく、割れにくさ、遮音性、施工時の扱いやすさにも関わる要素です。一方で、同じ名称でもメーカーや製品グレード、成形方法で厚さが変わります。ここでは、代表的な屋根材について、平均的な厚さと特徴を紹介します。

■日本瓦(平均20mm前後)

粘土を成形して焼き固めた屋根材で、厚みがあるぶん耐久性や耐熱性が期待できます。重量があるため下地や構造との相性確認が重要です。耐用年数の長さを重視する場合に選ばれやすい一方、施工の手間が増えやすく、工事費用は高めになりがちです。

■セメント瓦(平均10〜25mm)

セメントと砂を混ぜて成形した屋根材で、日本瓦より価格を抑えやすく、色の選択肢も広い点が特徴です。耐久性や耐熱性が見込めますが、衝撃で割れやすい面があります。塗装の劣化が進むと吸水しやすくなるため、点検と塗り替えの計画も検討します。

■スレート(平均5〜6mm)

天然スレートと、セメントに繊維を混ぜた化粧スレートがあります。軽量で施工しやすく、耐震面でも扱いやすい素材です。ただし割れやすく、塗膜劣化やひび割れの点検など定期的なメンテナンスが前提になります。勾配や立地条件で劣化の進み方が変わる点にも注意が必要です。

■ガルバリウム鋼板(平均0.35〜0.75mm)

金属系屋根材で、軽量でサビに強い点が魅力です。デザインや色の幅も広く人気があります。金属のため断熱性は高くない傾向があり、暑さ対策として断熱材や通気層を組み合わせる設計が向きます。雨音が気になる場合は、防音材の併用も検討します。

■トタン(平均0.35mm前後)

鋼板に亜鉛メッキを施した屋根材で、軽くて安価なため普及しました。ただし薄さゆえに断熱性が課題になりやすく、サビやすさも注意点です。近年は同じ金属系でも耐食性に優れるガルバリウム鋼板が選ばれる場面が増えています。

厚さだけで優劣は決まらないため、地域の気候、下地状態、求めるメンテナンス頻度も合わせて選びましょう。

屋根の厚さはどう決まる?構造を解説

屋根の厚さは「屋根材の厚み」だけでなく、下地、断熱、通気の層を重ねた合計で決まります。また、天井断熱か屋根断熱かなど屋根の工法、通気を取るか、下地を二重にするかでも総厚は変わります。各層の役割を理解すると、見積の内容や仕様の違いを判断しやすくなります。

■屋根下地(垂木・野地板・ルーフィング)

垂木は屋根を支える骨組みで、屋根荷重を柱や梁へ伝えます。寸法や間隔は、屋根材の重さ、積雪、風圧に合わせて設計されます。野地板は垂木の上に張る板で、屋根材を固定する土台です。構造用合板や板材などが使われ、厚さが不足すると釘の効きが弱くなったり、たわみが出たりします。ルーフィングは防水シートで、屋根材の下に入って雨水の侵入を最終的に止めます。継ぎ目の処理や立ち上げが不十分だと、雨漏りの原因になります。

■屋根材

瓦、スレート、金属板など外側の仕上げで、雨や紫外線、衝撃を受け止めます。厚いほど強いとは限らず、素材の性質と施工方法で耐久性が変わります。金属は薄くても軽く、瓦は厚みがあっても重量が増えやすい、というように「厚さ=性能」ではない点に注意が必要です。

■断熱層(断熱材・気密層・防湿層)

断熱材は熱の出入りを抑え、冷暖房効率を高めるものです。屋根断熱では垂木間や垂木の下に断熱材を入れるため、厚み確保が性能に直結します。また、気密層は隙間風を減らし、室内側からの空気移動を抑えて結露リスクも下げます。防湿層は室内の水蒸気が構造内へ入りにくくする層で、断熱材の性能低下や木材の腐朽を防ぎます。

■通気層(通気層・軒先換気・棟換気)

屋根材の下に空気の通り道を作り、湿気と熱を外へ逃がします。軒先換気で空気を取り入れ、棟換気で排出する流れを確保すると、夏の熱だまりや冬の結露を起こしにくくできます。通気層の厚みが不足すると流れが弱くなり、野地板の乾燥が進みにくい場合があります。屋根の厚さを考えるときは屋根材の交換だけでなく、下地の補強の有無、断熱仕様、換気部材の種類まで含めて比較すると後悔しにくいでしょう。

屋根の厚さに関する注意点

屋根の厚さに関する注意点

屋根の厚さは「屋根全体(下地・断熱・通気を含む)」と「屋根材そのもの」で意味が異なります。それぞれの厚さによって、建物にさまざまな影響が出るため注意が必要です。

屋根全体が薄い場合、断熱材や通気層を十分に確保しにくく、外気の影響を受けやすくなります。夏は小屋裏が高温になり、冬は室内の暖かい空気が逃げやすくなるでしょう。また、気密・防湿性が弱いと水蒸気が屋根内部に入り込み、結露やカビ、木部の腐朽を引き起こすおそれがあります。一方で、屋根全体が厚い場合は、断熱性を高めやすくなる一方で、材料費と施工費が増加します。換気設計が不十分だと湿気が抜けにくく、かえって劣化リスクが高まる点にも注意が必要です。

屋根材が薄い場合、へこみやすさや雨音の響きやすさが出やすく、下地や固定方法の影響も受けます。厚い場合は割れ・変形に強く遮音性も改善しやすい反面、重量増で耐震面の検討が必要になり、施工の手間も大きくなります。

まとめ

屋根の厚さは屋根材だけでなく、下地(垂木・野地板・ルーフィング)、断熱層(断熱材・気密層・防湿層)、通気層(軒先換気・棟換気)を重ねた総厚で決まります。屋根材は日本瓦20mm前後、セメント瓦10〜25mm、スレート5〜6mm、ガルバリウム鋼板0.35〜0.75mm、トタン0.35mm前後が目安です。

屋根全体の厚さが薄いと、暑さ寒さや結露リスクが増え、厚いと断熱性は上がる一方で費用や湿気が抜けにくくなることに注意が必要です。屋根材も薄いほどへこみ・遮音性に影響しやすく、厚いほど耐久性は期待できても重量と施工負担が増える傾向にあります。

この記事の監修者情報

峠元 聡良

所属:峠元板金工業所

経歴:職人歴4年

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