屋根の軒下(軒天)とは?軒先との違いや修理・メンテナンス方法

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屋根の軒下(軒天)とは?軒先との違いや修理・メンテナンス方法

屋根の軒下(軒天)は、外観の美しさを保つだけでなく、雨風や湿気から建物を守る役割を持つ重要な構造です。しかし、経年劣化や風雨の影響で軒天が剥がれたり、変色・腐食したりすることもあります。そのまま放置すると、屋根裏の木材が傷み、建物全体の耐久性を損なう恐れがあります。

当記事では、軒下や軒天の基礎知識から、修理が必要なサイン、塗装や張り替えなどのメンテナンス方法などを解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 自宅の屋根や軒下の劣化が気になっている方
  • 軒天の剥がれやシミなど、修理が必要か判断したい方
  • フォームや修繕を検討しており、費用の目安を知りたい方

屋根の軒下(軒天)とは?

屋根の軒下(軒天)とは?

軒(のき)とは、屋根が外壁より外側へ突き出した部分のことを指します。建物の外観を形づくる要素でありながら、雨や日差しを遮って室内環境を快適に保ち、外壁の劣化を防ぐなど機能面でも重要な役割を果たします。

一方、軒下(のきした)は軒の真下の空間を指し、人が通ったり物を置いたりできるスペースです。そして軒天(のきてん)は軒の裏側に張られた仕上げ材で、軒裏(のきうら)とも呼ばれます。軒天は外観を整えるだけでなく、雨風・虫・鳥の侵入を防ぎ、屋根裏の湿気を逃がす通気機能を持つのが特徴です。

軒先との違い

軒先(のきさき)とは、屋根の最も外側の端の部分を指します。雨水が落ちる位置にあたるため、雨樋(あまどい)や破風板(はふいた)などが取り付けられることが多く、屋根の中でも特に風雨の影響を受けやすい箇所です。

一方、軒下(のきした)は屋根の張り出し部分の下にできる空間を指し、人が通れる場所としても知られています。また軒天(のきてん)や軒裏(のきうら)はその裏側に張られた仕上げ材のことです。つまり、軒先は屋根の端、軒下はその下の空間、軒天は軒の裏側を覆う部分、というように位置と役割が異なります。

屋根の軒下(軒天)の修理が必要な状態

軒下(軒天)は建物の外観を整えるだけでなく、屋根裏を湿気や雨水から守る重要な部分です。しかし、経年劣化や気候の影響により損傷が進むと、外観の劣化だけでなく、建物全体の耐久性にも影響を及ぼすことがあります。以下では、修理が必要な代表的な症状と、そのまま放置した場合のリスクについて解説します。

■軒天板の剥がれ

木質系や合板の軒天では、接着剤の劣化や強風によって板が剥がれることがあります。剥がれた部分から雨風が侵入すると、屋根裏の木材を腐食させる原因となり、放置すれば屋根全体の強度が低下します。特に、台風時には風が入り込み、屋根材が飛散する危険もあります。

■軒天板の変色

雨仕舞い(あまじまい)の不具合や雨樋の破損によって雨水が軒天に回り込み、長期間濡れた状態が続くと、軒天板にシミや変色が現れます。これは内部に湿気がこもっているサインで、腐食やカビ、苔の発生につながる恐れがあります。湿気による腐食が進むと、木材の強度低下やシロアリ被害を招く可能性もあります。

■軒天板の穴あきや崩壊

腐食が進行すると、軒天板に穴が開いたり、一部が崩れ落ちたりすることがあります。穴が空いた部分からは、鳥やネズミなどの小動物が侵入し、巣を作ることで糞害や異臭、さらなる腐食を引き起こすこともあります。また、軒天が崩落すれば下を通る人に危険が及ぶ場合もあり、安全面でも早急な対処が必要です。

屋根の軒下(軒天)の修理・メンテナンス方法

屋根の軒下(軒天)の修理・メンテナンス方法

軒下(軒天)の修理やメンテナンスを行う際は、劣化の度合いによって方法が異なります。修理費用だけでなく、作業時に足場の設置が必要となる場合が多く、追加費用が発生する点にも注意が必要です。ここでは主な修理・補修方法を紹介します。

軒天の塗装

軒天の塗装は、劣化の初期段階で行うことで防水性・耐久性を維持し、部材の寿命を延ばす効果があります。主な工程は、汚れやカビを落とす高圧洗浄やケレン作業、下地処理、パテ埋め(目止め)を行った上で数回の重ね塗りを施すという流れです。特に木材やケイカル板は水分に弱いため、高圧洗浄の水圧を調整するか、研磨による清掃を選ぶこともあります。

塗料は防水・防カビ性の高いタイプが好まれ、塗装時期を逃さず行うことが重要です。費用の目安は約3万〜10万円(足場代別)で、外壁塗装と同時に実施すれば足場費を抑えられる場合もあります。

軒天の交換や張り替え

軒天の交換や張り替えは、板の剥がれや破損が進行している場合に行われる修理方法です。劣化した軒天板を撤去し、新しい板を設置した上で、周囲と色調を合わせるために塗装を施すのが一般的です。比較的軽度な損傷であれば、既存の軒天の上から新しい板を重ねる「増し張り」も可能です。

増し張りは撤去や廃材処分が不要なため、工期を短縮し、費用を抑えられる利点があります。費用相場は約3万〜30万円(足場代別)で、劣化の範囲や素材によって価格が大きく変動します。軒天修理の中では最も費用がかかる工事ですが、放置すると建物全体に影響を及ぼすため、早めの対応が重要です。

軒天の重ね塗り

軒天の重ね張り(カバー工法)は、既存の軒天が劣化していても下地がしっかりしている場合に行われる修理方法です。古い軒天を撤去せず、その上に新しい軒天材を重ねて取り付けるため工期が短く、廃材処分費がかからない分コストを抑えられます。

既存の軒天がベニヤ板など燃えやすい素材の場合でも、ケイカル板などの不燃性・耐水性に優れた素材にすることで、安全性と耐久性を高めることができます。ただし、厚みが増すため部分的な施工には不向きです。費用相場は約5万〜25万円(足場代別)で、張り替え工事よりも安価に実施できます。

軒天のコーキング補修

軒天のコーキング補修は、ひび割れや隙間が生じた箇所をシーリング材で埋めることで、雨水や湿気の侵入を防ぐ方法です。軒天の継ぎ目や板の接合部は劣化しやすく、放置すると雨漏りや内部の腐食につながる恐れがあります。コーキングによって隙間を埋めることで、防水性を一時的に回復させ、被害の拡大を防ぐことが可能です。

ただし、あくまで応急処置的な補修であり、広範囲の劣化や素材の破損が見られる場合には、張り替えや塗装などの本格的な修理が必要になります。費用の目安は約2万〜5万円(足場代別)で、比較的軽度な損傷への対応として適しています。

まとめ

屋根の軒下(軒天)は、雨や日差しを防ぎ、屋根裏の湿気を逃がす重要な部分です。劣化が進むと見た目の問題だけでなく、腐食や雨漏りなど建物全体に影響が及びます。

主な修理方法には、塗装による防水性の回復、板の交換や増し張りによる補強、下地が健全な場合の重ね張り、ひび割れを埋めるコーキング補修などがあります。劣化の程度に応じて最適な方法を選ぶことが大切で、放置すると安全性にも関わるため、早めの点検とメンテナンスが重要です。

この記事の監修者情報

峠元 聡良

所属:峠元板金工業所

経歴:職人歴4年

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