雨どいから地面に雨水を流すと起こるトラブル|排水方法と設置ポイント

雨樋

雨どいから地面に雨水を流すと起こるトラブル|排水方法と設置ポイント

雨どいは屋根に降った水を正しく排水するために設置されていますが、時に雨どいのサイズや勾配が不適切だったり、経年劣化による損傷があったりなどの理由から正しく雨水が排水されないことがあります。正しく雨水が排水されないと、雨水が地面に垂れ流しになってしまい、さまざまなトラブルが起こるため注意が必要です。

当記事では、雨どいから地面に雨水が流れることで起こるトラブルや正しい排水方法について解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 雨どいからの雨水が地面に垂れ流しになっていることに気づいた方
  • 雨どいの経年劣化によって雨水の一部が地面に流れているのが気になっている方

雨どいから地面に雨水を流していることで起こるトラブル

雨どいから地面に雨水を流していることで起こるトラブル

雨どいは、屋根から降った雨水を集めて適切に排水する役割を果たしています。これにより、屋根や周囲の環境を守ることができます。しかし、雨どいに何らかの問題があり雨水が地面に直接流れると複数のトラブルが発生してしまいます。

以下では、考えられるトラブルを3つ紹介します。

住宅の基礎部分が腐食する

雨水が雨どいを通じて地面に直接流れることにより、住宅の基礎部分に悪影響を与えるリスクがあります。特に、過剰な湿気が基礎に長期間にわたって浸透すると、土壌の膨張や基礎部分の浮きが生じ、ひび割れや変形を引き起こす原因となります。ひび割れや変形が引き起こると建物の強度が低下し、最終的には構造全体に影響を与える可能性が高まります。

また、湿気による木材の腐敗が進行することや、鉄筋が錆びることで基礎の耐久性が損なわれ、修復には大きなコストがかかることになります。

機材にシロアリ被害が発生する

雨どいの排水が地面に直接流れることで、シロアリ被害が発生するリスクが高まります。シロアリは湿気を好む生物で、基礎周辺に雨水が溜まるとその活動が活発化するためです。特に木材が湿った状態になるとシロアリの侵入が促され、建物の土台や壁などの木部が食害されるリスクが高まります。

また、湿気が長期間たまり続けると、シロアリだけでなく、木材腐朽菌も繁殖しやすくなり、被害が拡大する恐れがあるため早めの対策が必要となります。

地盤沈下が起こる

地盤沈下も、雨どいの排水が地面に流れてしまうと起こる可能性が考えられるトラブルの一つです。雨水が特定の場所に集中して浸透すると、土壌の粒子が水に流され、地盤が弱体化する「浸食現象」が生じます。この浸食が進むことで地盤の空洞化が起こり、建物の基礎部分が不均一に沈下してしまいます。

地下水位の変化が加わることで、地盤の安定性がさらに低下する可能性もあります。このような状況が続けば、建物の傾きや基礎の破損といった深刻な問題に発展してしまうでしょう。

雨どいからの排水方法

雨どいを通る雨水を地面に流すと、さまざまなトラブルの原因となるため、適切に雨水を排水することが大切です。雨どいの排水方法は主に「側溝に流す」「雨水タンクへ流す」「雨水浸透マスへ流す」の3つとなります。

以下では、それぞれの排水方法について解説します。

側溝に流す

側溝に流す方法は、効率的で安全な排水方法の一つです。側溝は、道路や住宅地の水はけをよくするために設けられた排水溝で、雨水を集めて排出する役割を担っています。雨水を側溝に流すことで、地面への浸透を防ぎ、建物の基礎や周囲の土壌を保護することができます。

しかし、側溝に流す場合、ゴミや落ち葉が詰まりやすいため、定期的に清掃を行う必要があります。また、排水能力を高めるためには、側溝のサイズや勾配の調整も重要です。勾配が不足していると排水が滞り、逆に周囲の浸水や地盤沈下を引き起こす可能性があります。適切な排水システムの設計とメンテナンスが、効果的な水の管理につながります。

雨水タンクへ流す

排水方法には雨水タンクに流す方法もあります。雨水タンクは、屋根から集めた雨水を一時的に貯めておくための設備で、主に庭の水やりや洗車などに再利用できるため環境にも優しく、効率的な方法です。雨水タンクに流せば、地面への過剰な水の浸透を防ぐと同時に、貴重な水資源を有効活用することができます。

雨水タンクへ排水する際には、設置場所や容量の選定が重要です。タンクが満水になると、排水経路を確保しないと水があふれ、周囲を浸水させる危険があります。定期的にタンク内を掃除し、汚れやゴミが溜まらないようにすることも大切です。また、雨水を貯めることで、雨水の有効活用が進み、日常的な水道使用量の削減にもつながります。

雨水浸透マスへ流す

雨水浸透マスは、雨水を地面に直接流すのではなく、地下に浸透させる排水方法として非常に効果的です。浸透マスは、雨水を一時的に貯め、その後地下に自然に浸透させることで、周囲の土地や建物への影響を防ぎます。この方法は、都市部や土地が狭い場所で特に有効です。雨水が地下に浸透することで、地下水位を保つ助けとなり、土壌の乾燥を防ぐことができます。

浸透マスの設置には、土地の傾斜や土壌の種類を考慮する必要があります。浸透性能が低い土壌では、十分に機能しないことがあるため、適切な場所選びが重要です。また、浸透マス内部にゴミや汚れが溜まると浸透が妨げられ効果が薄れるため、清掃を怠らないことが大切です。

雨どいを設置する際のポイント

雨どいを設置する際のポイント

雨どいを設置する際には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。まず、屋根の大きさや形状に適したサイズの雨どいを選ぶことが基本です。小さすぎると、雨水が溢れたり、排水がうまくいかないことがあります。

勾配が不十分だと水が滞ってしまうため、屋根の勾配に合わせて適切な角度で設置することも大切です。また、耐久性の高い素材を選ぶことで長期的に機能するため、雨どいの素材選びも重要だと言えるでしょう。

設置場所としては、屋根の端に確実に配置し、雨水がスムーズに流れるようにします。定期的な清掃も忘れずに行うことで葉やゴミの詰まりを防ぎ、排水機能を維持することができるでしょう。

峠元板金工業では自宅にあった適切な雨どいを選択し、古い雨どいの撤去も承っています。雨どいの交換をしたいものの、どうしたら良いか分からない方は、ぜひお気軽に一度ご相談ください。

まとめ

雨どいから地面に雨水を流していると、住宅の基礎部分が腐食したり、機材にシロアリ被害が発生したり、地盤沈下が起こったりなどのトラブルが発生します。そのようなトラブルを発生させないためには、雨どいからの水を適切に排水し、雨どいが壊れていたらその都度修理をすることです。

雨どいは経年劣化するため、ヒビ割れや欠けがある、また不適切な勾配、サイズである場合は業者に依頼して適切なものに交換しましょう。

関連するコラム

関連コラム一覧