「瓦がずれている」と訪問してきた業者には気をつけよう!対処法を解説
屋根

屋根が住宅の中でも特に重要な構造部分ですが、日常的に目が届きにくいため状態の変化や異変に気付きにくい場所でもあります。そのような点を悪用し、近年では「瓦がずれている」と不安を煽って契約をせまり、高額な修理費を得ようとする悪徳業者が少なくありません。
当記事では、そうした訪問販売業者への正しい対応方法や、誤って契約してしまったときの対処法、また有料業者の見分け方などについて解説します。
【この記事はこんな方におすすめです】
- 訪問販売業者から「瓦がずれている」と指摘された経験がある方
- 屋根のメンテナンスに関心がある方
- 高齢の親と同居している、または遠方に住む家族がいる方
「瓦がずれている」と訪問してきた業者には注意が必要!
自宅に突然訪問販売業者が来て「瓦がずれている」と指摘するケースが近年増えています。悪徳業者のよくある手口の一つで、独立行政法人 国民生活センターの2023年の調査では、5年間の間に約3倍もの屋根工事の点検商法に関する相談件数が増えたと発表されています。
最初は「近所で行う工事の挨拶に来ました」といって訪ねてきて、「屋根の瓦がずれているので点検してあげる」「このままでは瓦が飛んで近隣に迷惑をかける」と不安を煽る手口が一般的です。特に台風や地震の後にこういった悪徳業者が訪問する傾向にあります。
不安を煽られ契約すると即座に高額な修理契約を結ばされるケースも少なくありません。訪問販売業者や飛び込み営業が訪ねてきた場合には、どのような業者であっても注意が必要です。
「瓦がずれている」と訪問販売業者が来たときの対処法
「瓦がずれている」と突然訪問してくる業者は、悪徳業者である可能性が高い傾向にあります。その場で契約しないだけでなく、「点検をしましょうか」と申し出てきても断り、絶対に屋根に登らせないことが基本です。屋根の状態を口実に不安を煽られても冷静に対応し、その場で断りましょう。
以下では、訪問販売業者が来たときの具体的な対処法を紹介します。
相手の身分を聞く
訪問販売業者が「瓦がずれている」と指摘してきた場合は、まずインターホン越しで対応し、安易に対面しないことが大切です。応対する場合は、「どちらの会社の方ですか?」「名刺をポストに入れてください」などと伝え、身分や会社名を確認しましょう。
悪徳業者は、会社情報をはぐらかしたり、あいまいな返答をしたりする傾向があります。少しでも不審に感じたら、「家族と相談してから連絡しますので、今日は結構です」とその場で契約や点検を絶対に承諾しないようにしましょう。毅然とした態度で、丁寧に断ることがトラブルを防ぐ第一歩です。
相手の営業トークに対応しない
訪問販売業者は、「このままだと雨漏りしますよ」「今日中なら安くできます」など、不安を煽る営業トークを巧みに使ってきます。しかし、こうした言葉に反応して会話を続けると、相手のペースに引き込まれてしまう危険性があります。
「瓦がずれている」と指摘されても、その場で屋根の状態を確認することはできません。根拠のない話に対して返答せず、「必要があれば自分で業者に依頼します」と伝えてきっぱり断りましょう。会話を引き延ばされる前に、早めに対応を終えることがポイントです。
必要ないとキッパリ断る
訪問販売業者に対しては、あいまいな返事を避け、「必要ありません」「契約するつもりはありません」と明確に断ることが重要です。相手の話に同情したり、少しでも興味を示したりすると、粘り強く食い下がってくるケースもあるため、最初から毅然とした態度で対応しましょう。
また、「家族に相談する」「他の業者に頼んでいる」といった表現も、押し売りを誘発することがあるため避けた方が無難です。「結構です」とはっきり伝え、インターホン越しのまま対応を終えるのが理想的です。
悪質な場合は警察を呼ぶ
訪問販売業者がしつこく居座ったり、強引に契約を迫ったりするような場合は、迷わず警察に通報することが必要です。たとえ実際に被害が発生していなくても、威圧的な言動や長時間の滞在は迷惑行為に該当する可能性があります。
「お帰りください」と何度伝えても引き下がらない場合は、ためらわずに「110番します」と告げましょう。その一言で態度を改めることも多く、不要な被害を防ぐ抑止力になります。また、地域で同様の被害が起きている可能性もあるため、警察に通報することで近隣への注意喚起にもつながります。
「瓦がずれている」の訪問販売業者と契約してしまった場合の対処法
万が一、「瓦がずれている」と言われて不安になり、訪問販売業者と契約してしまった場合でも、一定の条件を満たせばクーリングオフ制度を利用して契約を解除することが可能です。書面で契約を交わした日から原則8日以内であれば、理由を問わず解約できます。
クーリングオフの手続きでは、はがきや書面で通知を送るほか、控えの保管や送付記録の保存も重要です。また、クーリングオフの期限が過ぎていたり、対応に不安がある場合には、速やかに最寄りの消費生活センターに相談しましょう。専門のアドバイザーが状況に応じた対応策を教えてくれます。
優良な業者を見抜くコツ
屋根の修理は専門性が高く、費用も決して安くありません。そのため信頼できる業者に依頼することが大切です。以下では、優良な修理業者を見抜くためのポイントを紹介します。
■事業所の所在地や連絡先が明確である
実在する住所と固定電話の番号があり、会社概要や地図などがWeb上で確認できる業者は、信頼性が高い傾向にあります。所在地が曖昧な業者は避けましょう。
■資格や許認可を保有している
建設業許可や屋根工事の専門資格(瓦屋根工事技士など)を持つ業者は、技術的にも法的にも一定の基準を満たしています。資格の有無は公式サイトや見積書で確認しましょう。
■現地調査を丁寧に行い、見積書が詳細
屋根の状態をしっかり確認し、項目ごとの単価や作業内容が明記された見積書を提示する業者は、説明責任を果たす意識が高い証拠です。一式表示の見積書や口頭だけの説明は注意が必要です。
■施工実績が豊富で、写真付きで紹介されている
施工例が具体的に掲載されていると、その業者の技術力や経験値が把握しやすくなります。特に、地域密着型で同じ地域の施工事例が多い業者は安心感があります。
■十分な説明と検討期間を設けてくれる
優良業者は見積もりの内容を丁寧に説明し、契約を急かすことはありません。不安な点に丁寧に答えてくれるかも大切な判断材料です。
まとめ
屋根の「瓦がずれている」と突然訪問し不安を煽って契約を迫る手口は悪徳業者の典型のため注意が必要です。万が一契約してしまってもクーリングオフなどで対応可能ですが、まずトラブルを避けるためには、契約を結ぶ前に業者の身元を確認し、話を鵜呑みにせず、毅然と対応することが重要です。
また、優良な業者を見極めるには、会社情報の開示や資格の有無、見積書の明瞭さ、施工実績などを冷静にチェックしましょう。