瓦の種類と値段相場を素材別・形状別で解説!特徴や耐久年数も紹介

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瓦の種類と値段相場を素材別・形状別で解説!特徴や耐久年数も紹介

瓦屋根の住宅を建てたり、リフォームをしたりするときに、どのような瓦を採用するか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。普段瓦に関する知識に触れることも少ないため、それぞれの瓦の特徴や値段、耐久年数を知る方も少ないはずです。

しかし、瓦屋根は意外にも複数の種類があり、特徴も値段も耐久年数も異なります。当記事では、瓦の種類と特徴、値段を紹介するので、ぜひ瓦選びにお役立てください。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • 住宅の新築やリフォームを検討している方
  • 瓦屋根の特徴や種類を比較して決めたい方
  • 屋根のメンテナンスや葺き替えを検討している方

瓦の素材の種類と値段の相場

瓦の素材の種類と値段の相場

瓦の素材は粘土瓦とセメント瓦、またコンクリート瓦や金属瓦などのその他の瓦と大きく3つに分けられます。その中で粘土瓦にはさまざまな種類があり、種類によって特徴も値段の相場も異なるのが特徴です。以下で瓦の素材と種類を表で簡単にまとめました。

素材 特徴 種類
粘土瓦 天然の粘土を焼成して作られる。耐久性が高く、色あせしにくい。
  • 釉薬瓦
  • いぶし瓦
  • 素焼瓦
セメント瓦 セメントと砂を混ぜて成形し、塗装で仕上げる。デザインが豊富だが塗装が必要。
  • モニエル瓦
  • プレスセメント瓦
その他の瓦 様々な素材を用いた瓦があり、軽量で扱いやすいものもある。
  • 金属瓦
  • 樹脂瓦

以下では、それぞれの瓦の種類と値段の相場を紹介します。

釉薬瓦

釉薬瓦は、粘土瓦に釉薬(うわぐすり)というガラス質の薬剤をかけて高温で焼成した瓦です。釉薬によって表面がコーティングされるため光沢があり、色あせしにくいのが特徴です。耐久性に優れ、約50年以上使用可能とされています。

価格は1㎡あたり約8,000~12,000円が相場です。メンテナンス頻度は低く、塗装の必要がないため、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れた屋根材といえます。

いぶし瓦

いぶし瓦は、釉薬を使わずに焼成し、燻化(いぶし)工程を経て独特の銀色や黒色の光沢を持つ瓦です。和風建築に多く採用され、日本家屋の美しさを引き立てます。耐用年数は約50年以上と長寿命ですが、定期的なメンテナンスが必要です。

価格は1㎡あたり約8,000~13,000円が相場です。防水性や耐久性に優れる一方、苔や汚れが付きやすかったり、炭素膜が剥がれたりするため、適切な手入れを行うことが求められます。

素焼き瓦

素焼き瓦は、表面に釉薬を施さずに焼き上げた瓦で、独特の赤みで素朴な風合いが魅力です。洋風建築に多く用いられ、代表的なものにスペイン瓦やフランス瓦があります。価格は1㎡あたり約5,000〜9,000円程度で、耐用年数は約30〜50年と比較的長めです。

ただし、吸水性が高いため水分を吸収しやすく、凍害によるひび割れのリスクがあるため、寒冷地では避けたほうが無難です。定期的な防水処理やコーティングのメンテナンスを行うことで、耐久性を維持しやすくなります。

セメント瓦

セメント瓦は、セメントと砂と水を型に流し込んで成形した瓦で、粘土瓦よりも安価でバリエーションが豊富です。1㎡あたり約5,000〜10,000円ほどで、耐用年数は20〜40年とされています。

表面には塗装が施されているため初期の防水性は高いですが、塗装が劣化すると防水性能が低下し、ひび割れの原因になります。そのため、10〜20年ごとの定期的な塗り替えが必要です。また、重量が比較的あるため、屋根の耐荷重を考慮する必要があります。

モニエル瓦

モニエル瓦は、セメント瓦の一種で、表面にスラリー層と呼ばれるコーティングが施されています。コーティングより耐久性が高く、耐用年数は20〜40年ほどと長めです。価格は1㎡あたり約5,000〜10,000円程度で、重厚感のあるおしゃれなデザインが魅力です。

ただし、スラリー層が劣化すると塗装がうまく密着しないため、再塗装の際には特別な下地処理が必要になります。また、一般的なセメント瓦よりもやや重いため、施工時には屋根の耐荷重を考慮する必要があります。

【形状別】瓦の種類と値段の相場

【形状別】瓦の種類と値段の相場

日本の瓦は、標準的なサイズが縦約30cm、横約30cmとされています。ただし、瓦には形状の違いがあり、平らな「平板瓦」のF形、波状の「和瓦」のJ形、曲線が美しい「スパニッシュ瓦」のS形など、用途やデザインによって選べる種類が豊富です。形状によって施工方法や価格が異なるため、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。

以下では、形状別の瓦の種類と値段の相場を紹介します。

J形(和瓦・和形瓦)

J形瓦(和瓦・和形瓦)は、伝統的な日本家屋に使用される曲線的なデザインの瓦です。江戸時代から使われており、格式のある屋根を作るのに適しています。保湿性と換気性に優れており、日本の湿気が多く寒暖差の激しい気候に適しています。軽い地震の揺れにも耐えられ、メンテナンスをすれば50年以上持つのも魅力です。

価格は1㎡あたり約7,000円〜12,000円程度です。日本建築や神社仏閣に多く使用され、現代住宅においてもデザイン性を重視する場合に選ばれます。

F形(平板瓦)

F形瓦(平板瓦)は、表面が平らなシンプルなデザインで、特に現代の住宅に多く採用されています。一般的なJ形瓦に比べて軽量で、屋根全体の負担を抑えられる点がメリットです。また、曲線がないため隙間が少なく、強風による飛散リスクを低減できます。凸凹が少ないため、太陽光パネルの設置を検討する住宅にもおすすめです。

耐用年数は40〜50年程度で、メンテナンス次第ではさらに長持ちすることもあります。価格は1㎡あたり約6,000円〜14,000円程度で、コストパフォーマンスにも優れています。

S形(スパニッシュ瓦)

S形瓦(スパニッシュ瓦)は、波状のフォルムが特徴で、洋風建築に調和するデザインです。立体感と高級感があるため特に南欧風の住宅に適しており、オレンジや赤茶色のものなどカラーバリエーションも豊富です。波形の構造により雨水が流れやすく、さらに屋根裏の通気性も確保できるため、湿気対策や夏の暑さ対策に適しています。

耐久性も高く、40〜50年程度の寿命が期待できます。価格は1㎡あたり約5,000円〜13,000円程度で、機能性とデザイン性を兼ね備えた瓦として人気です。

まとめ

瓦の素材の種類は大きく分けて粘土瓦、セメント瓦、その他の瓦に分けられ、形ではJ形、F形、S形に分けられます。それぞれの種類によって特徴と金額が異なるため、住宅のある地域の気候や住宅のデザイン、また予算に合わせて選択するとよいでしょう。以下は、瓦の種類と料金相場をまとめた表です。

瓦の種類 料金相場(円/㎡)

粘土瓦

釉薬瓦 約8,000~12,000円
いぶし瓦 約8,000~13,000円
素焼き瓦 約5,000~9,000円
セメント瓦 セメント瓦 約5,000~10,000円
モニエル瓦 約5,000~10,000円
形状別瓦の種類 料金相場(円/㎡)
J形(和瓦) 約7,000~12,000円
F形(平板瓦) 約6,000~14,000円
S形(スパニッシュ瓦) 約5,000円〜13,000円

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